高精度加速機の絶縁性と耐熱性を兼ねたコーティングで宇宙誕生の謎に迫る
加速器部品に用いる高性能セラミック塗料をカスタマイズ
プロジェクトの概要
日本最高峰のエネルギー物理学の研究機関より、機械部品の耐熱性且つ絶縁性の塗料の開発依頼がありました。要求耐熱温度は約500℃以上で、また対象部品が高精密コイルであり、精度の高い絶縁性と均一性が要求されました。特殊な形状の部品に対し高付加価値で応えられ、また相手に合わせた塗料の開発を行うことで小さな会社ですが、宇宙誕生のメカニズムを紐解く一端を担うことができました。
お客様の課題
光速の99%まで素粒子を加速できる加速器部品に用いる耐熱性且つ絶縁性塗料の開発依頼がありました。要求耐熱温度は500℃以上の耐クラック性もあり通常の有機塗料では対応できません。また対象部品が高精密コイルである為、ほんのわずかな塗料の調整が必要となりました。
ご提供した解決策
日研の塗料の中から耐熱性の優れるG-92-5を選び、お客様が要望される性能に少しずつカスタマイズして採用されました。大企業の量産スタイルではなく、中小企業の少量できめ細かな技術開発で要望にこたえたことで、お客様は国際的な論文でこの塗料の持つ技術力を発表していただきました。発表後にはスイスの国立素粒子物理学研究所(CERN)にある設備にも使ってみたいとの要請があり輸出しました。日研が最も得意とするオンリーワンの高付加価値商品を生み出せたプロジェクトとなりました。
使用した製品と特徴
製品名 | G-92-5 |
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主な特徴 | 絶縁性耐熱性 |